セックスのゴールはオルガズムではない

性生活についての迷信を信じている人は少なくありません。中でも最も多いのが、「セックスの究極のゴールは女性がオーガズムに達することである」というものです。多くの人がこれを信じているために、夫との性交についての不満を抱く結果となっています。オーガズムをゴールとするということは、基準化することにほかなりません。ひとつ基準が作られれば、そこに達しないケースが生ずることになるでしょう。つまり、「イケなかった」ときに不満が残るのです。 セックスの目的は肉体の悦びに酔うことではありません。愛の心に酔うことがゴールであるべきです。心を軸にすることで、精神の結びつきがより強くなっていくからです。

いつも100点満点のテストなんてない!?

子どもが学校で受けるテストには、満点があります。成績優秀な子が100点を目指して受験しても、必ずしも常に満点をとれるとは限らないでしょう。セックスもそれと同じです。オーガズムが「満点」だという考え方を持ってしまうと、「満点にならない」日が、必ず生まれます。そして、「今日はダメだった」という後悔が残ったり、何度もそれが続けば、「夫はセックスがヘタ」と烙印(らくいん)を押したりすることになるでしょう。

「オーガズム至上主義」的な考え方は、マスメディアの興味本位のいい加減な宣伝や、アダルトビデオによって広められた一種の「幻想」です。多くの女性が性生活でオーガズムを得られていませんし、20代、30代の女性においては、一度も得られたことがないという人が、半数以上いるという統計データもあります。もし、オーガズムがセックスのゴールであるならば、大半の女性が常に失敗を繰り返していることになりますし、中には生涯一度も成功しない人もいることになります。オーガズムは「肉に酔う現象」と言えますが、人間は「心に酔う」ことを第一とした方が満足度は高くなります。セックスのゴールを「心」に置くことで、本当の幸せをつかむことができるのです。

オーガズムとエクスタシーは別ものです

一般に、オーガズムとエクスタシーは同じものと捉えられているようですが、前者は「肉体の陶酔」であり、後者は「心に酔う現象」のことです。もちろん、両者は密接なつながりがあり、エクスタシーを感じるときにはしばしばオーガズムを伴うものです。「肉体の陶酔」といっても、それを作りだしているのは大脳であり、つきつめれば頭の中で作られるものです。オーガズムはエクスタシーの結果として得られるもので、愛の心に酔うことができなければ得られないものです。

夫婦がセックスで求めるべきゴールは、エクスタシーであると考えるべきでしょう。愛に酔うことは、夫婦が自分たちでコントロールできる世界です。気持ちを高め合って身体を愛撫し合うことができれば、確実に手に入れられます。

多くの女性が「オーガズムを得たい!」と肉欲を強く望み過ぎるために、性的欲求不満の女性が多くなり、不倫や浮気をする人が増えています。夫婦生活で本来求めるべきものは心の交流であり、セックスを通じて精神的な満足を得ることをゴールとすれば、生き方そのものが変わっていくはずです。オーガズムはその過程における、単なるボーナスにすぎないと理解すべきでしょう。