性の不一致はコミュニケーションの失敗から

性生活がうまくいっていない夫婦は、どちらか一方もしくは双方ともに、「こういうセックスをしたい」とか「もうしたくない」などの不満を口にすることができず、心の中にためこんでいるものです。つまり、コミュニケーションにおいてもうまくいっていないのです。スイスの精神科医ポール・トウルニェは「人は少なくとも誰か一人の人間によって、理解されているという実感を持たずには生きていかれない」と述べていますが、その「誰か一人」とは、夫婦においては配偶者であるはずです。「理解してくれる人を見つけた」と思うからこそ結婚するわけですし、互いに精神的にも肉体的・性的にも強い結びつきを持っているのが普通です。「性の理解」はとても重要ですし、性生活の改善にはコミュニケーションの改善が不可欠となります。

話しあうことのないカップルはセックスもしない!?

本来、結婚生活というものは年とともに進化し発展していくものです。性生活においても、結婚歴が長くなればなるほど、充実するのが普通であり、女性は若いころには感じられなかったオーガズムを得られるようになったり、早くオーガズムに達したり、何度も繰り返し感ずることができるようになったりもしていきます。男性も妻の愛撫によって、マスターベーションでは絶対に得ることのできない快感に酔いしれることもできるようになります。その背景には、コミュニケーションの深化があります。結婚生活の秘訣とは、コミュニケーションを絶やさないことともいえるでしょう。

「私たちは話をしない夫婦です」とか「まったく話ができないんです」「うちの夫(妻)は無口で、話すことが嫌いなんです」と訴える人は少なくありませんが、そういうカップルは必ず、性生活でもうまくいっていません。「話をしない夫婦」とは、すなわち「セックスをしない夫婦」といえますし、「夫(妻)は話すことが嫌い」とは「セックスが好きではない」と暗に言っています。 夫婦においては会話もセックスも、心を通い合わせる手段です。どちらか一方だけが活発ということは、普通はありません。

相互理解が性生活改善のカギです

コミュニケーションを言い換えれば、関わり合いの手段ということができるでしょう。心のうちを正確に相手に伝えることができ、受け手も正確に受容することができる状態です。中高年の男性には、EDになる人が少なくありません。心の通い合う夫婦であれば、「最近なかなか勃起できなくなったんだよ」「じゃあ、クリニックでバイアグラを処方してもらったらどう?」と素直に話しあうことができ、薬の力を借りて充実した性生活をつづけることができます。EDは男性ならだれでもかかる可能性のある症状です。「風邪をひいたみたいだ」「だったらお医者さんで診てもらったら」というのと同様の会話の流れで話題にできるテーマのはずです。

コミュニケーションがうまくいっていないカップルの場合、このような会話が成立しません。男性は勃たなくなったことを妻に隠し「疲れているんだよ」などとウソをつき、妻は性生活を拒否されたことに傷つき、性的不満を抱えることになります。互いに相手を理解する気持ちを持っていれば、こういうことにはならないはずです。セックスの改善には、相互理解がカギとなるのです。

近年、セックスレスのカップルが多くなっています。その根本には、夫婦の「会話レス」があります。性生活の改善には、コミュニケーションを絶やさない努力が必要です。